ほどほどの人生に納得して生きてきた
機械メーカーで営業をしています。大きい会社ではなくて大手の子会社の子会社レベル。給料も低く、社長もワンマンであまり好きではありませんが、自分の居場所はここしかないと思ってずっと勤めています。
結婚はしていません。過去、彼女らしい女性もいなかったんじゃないでしょうか。男としては負け組ど真ん中。でも下には下がいるもので、仕事もなく住む家も無いなんて人、私の周囲にはざらにいますよ。私は正社員で、風呂付のアパートに住み、持病もないですし、身の丈にあった人生を歩んで幸せだと思っています。
長年懇意にしているママ
秘かな癒しがありまして、借りているアパートの近くにある、こじんまりしたスナックに通っています。いつ行っても客は私だけ。500円のスパゲッティとか、唐揚げとか、それにウイスキーとかビールをいつも注文しています。スナックというより、ママを話し相手に酒とつまみを食べるご飯屋さんみたいな位置づけです。
ママは、40歳代後半か50歳前後じゃないですかね。年齢を聞いてもはぐらかされて、教えてくれないんですよ。でも私よりは若いと思うんです。茶髪でポニーテールか、お団子もよく作っています。お団子似合ってるね、と言うと「シニヨンね」と言われます(笑)。ピンクのカーディガンを愛用していて似合っています。可愛い女ですよ。
私が軽く飲んで食べて、ママにもビールをご馳走するのが習慣。会社の若いやつの不満とか、社長の悪口とか言っちゃいますね、ママの前では。ママは私の話をよく聞いてくれます。
コロナで迎えた店のピンチ
そんな日を10年近く過ごしていました。でもコロナでママもお店を開いていられなくなり、私もママが作るお弁当を夕飯に買って帰るだけの日々に変わりました。寂しかったですね。あの場所に依存していたんだなって思い知らされました。10年も通ってんだから、早く自分で気づけよって感じですよね。
「いまどうやって食べてるの」って聞いたら給付金と貯金でしのいでいると言っていました。そして「店はもう続けられないからやめる」と。
立ち話でしたが、この時に色んな情報を得ました。ママとは長いつきあいですが、自分ルールとしてお金の話はあまりしないようにしていたんです。私自身が年収や稼ぎ具合を聞かれたりするのが嫌なので。でもこの時は閉店という大ごとを控えていたので、つっこんだ話もしました。
今の店はもともと母親がやっていたもので、土地は自前で家賃はないとのこと。客がろくにいないのんびり経営でも成り立っていたのは、そういうことだったようです。物件は貸す方が良いと考えていること、でもどうせすぐに借り手は見つからないだろうから、自分はパートに出ると言っていました。
ママが店を続けていた理由
話をしていて知ったことはそれだけではありません。「私が店を続けていたのは、あなたのためだよ。気づいてた?」と言われて嬉しいやら驚くやら、ビビるやら・・・。「まあ、俺しか客、ほとんどいなかったもんね」と苦笑いしながら返しましたよ。その程度の返しが精いっぱい。
結局、私がママとお店を拠り所にしていることを見抜かれていたわけです。ママは自分のことよりも「私、店閉めるけど、あなた大丈夫?」と逆に心配されました。ありがたいですね。で、私も「あんまり大丈夫じゃない」と正直に答えました。本音でしたしね。
自分に何ができるか考えた結果
ママはハローワーク通いを始めることになり、生活が一変して、雰囲気も少し変わりました。ふんわりした可愛い感じが、少し顔つきが厳しくなりましたね。仕方ないですけどね。
私はママがくれる優しい笑顔が大好きだったので、少しでも楽にしてあげたいし、一緒にいる時間を作りたいという思いがありました。ママにとって、私はただの客で金づるなんだろうな、という考えもずっと持っていまして。大人ですからね。少しは手助けしたいと、3万円渡したんです。私にしては大金ですよ。ママはびっくりしていましたけど、しっかりお金を握りしめていたので、嬉しかったみたいですね。「ありがとう。ほんと、涙でるわ」と言って、目頭をぬぐってました。いい事をしたと自分では思っています。
一緒に暮らさない?を私から提案
それで自信がついたんでしょうね。ちょうどママが借りているアパートの更新が迫っていたタイミングで「一緒にくらさん?」と私から誘いました。家賃は私が払うから、部屋の掃除とご飯をやってくれると嬉しいと言いました。ママはこの案に乗ってきてくれました。
この年で男として大きな達成感を覚えました。単純に嬉しかったですよ。
結局、「好き」と「金」が大事
ごちゃごちゃ考えても仕方がないですね。とにかく私はなんだかんだママが好きで、一緒にいたい。ママが私をどう思っているかは分かりません。お金に困っている時の、都合がいい男なのかもしれないし、長年のつきあいによる情があってつきあってくれているのかもしれない。私のことをちゃんと好きなのかもしれない。でもそんなこと結局、私には分からないですから。
好きという気持ちがあるだけではもちろん駄目で、一緒にいるためには「金」という運転資金が必要ですね。私は金持ちじゃないので多くは払えませんが、自分ができる範囲でママを手助けしようと思っています。誠意ですよ。
ママは、私にできることを、できる範囲で喜んでくれる女なんです。それ以上は求めてこないし、それ以下でもない。だから私は彼女から離れられずに、なんとなく、ずるずると店に通い続けていたのかもしれませんね。
せっかく出逢った人なので、向こうが離れていかないうちは、ずっと大切にしたいと思っています。いきなり大きな男にはなれませんが、できることを怠けずに誠意をもって接していこうと柄にもなく思っています。誠意って大事ですね。それがあれば、ふりむいてくれる女性っているんだなと思いました。
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