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60歳からのラブストーリー

恋?70歳の私に”ぬくもり”をくれたのは、同じマンションの住人さん

恋?70歳の私に”ぬくもり”をくれたのは、同じマンションの住人さん

夫をガンで見送って

3年前に夫をガンで亡くしました。肺がんです。煙草をよく吸う人だったので、あれだけ吸えば仕方ねぇよ、なんて息子は言いますが。まだ69歳でした。
相続や遺品整理で、バタバタと2年が過ぎました。死後の後始末が終わらない内に一周忌が来てしまうんです。慣れないこと、決めなければならないことがたくさんあって、とても疲れました。

70歳で初めての一人暮らし

新しい生活に慣れるのも、それなりに大変でした。夫から相続したマンションにそのまま住んでいますが、私は一人暮らしをしたことがないんです。結婚前は実家住まいと寮生活でしたし・・・。誰もいない家に一人でいるのは、想像以上に寂しく感じましたよ。
あと、対社会的なアレコレ。マンションの管理組合の理事を引き受けなくてはならなくなったんです。最初は本当に億劫でした。
でもこの理事の仕事で、大切な人と巡り合えたんです。人生って分からないですね。

理事会での出会い

うちのマンションの理事は「輪番制(持ち回り)」なんです。私たち夫婦は一戸建てから7年前に今のマンションに越してきました。老後に備えてのいわゆる「ダウンサイジング」のための住み替えでした。前の所有者が1回理事をされたそうですが、夫亡きあと二度目の当番が回ってきてしまったんです。もちろん、やるのは私です。
マンションは150戸の規模で理事は10名。月に1回理事会があります。うちのマンションには「ゲストルーム」という名の共用部屋があるので、そこで開催しています。
メンバー10名が全員そろうことはまずありません。そもそも理事なのに一度も顔を出さないツワモノもいて・・・。出席する人は毎回同じ顔になってきます。1301号室のTさんはその一人でした。

理事長と副理事長になった私たち

ご存じの方も多いと思いますが、理事の中にも役職があります。理事長、副理事長、会計、監事。当マンションでは立候補や推薦がなければくじ引きで決めることになっていました。
それでまんまとTさんと私は、それぞれ理事長、副理事長を引き当ててしまったんです。私の顔は青ざめていたと思います。でもTさんは「ああ!引いちゃった(笑)ご縁だねえ」とにこやかなご様子で。他の方もホッとしたと思います。「できません!」とかたくなに拒否したり、怒り出したりする人もいるそうなので。
Tさんは数年前に引っ越してこられた方でした。お年は私と同じくらいでしょうか。犬を抱っこして散歩に行くTさんにエレベーターで会ったことはありました。でも会釈をする程度の関係。「よろしくお願いします。一緒に頑張りましょう」Tさんが笑いかけてくれて、私も前向きな気持ちになれました。それが私たちの最初の会話です。

マンションの大問題に取り組んで

築27年たつマンションで、あちこち修繕が必要なタイミングでした。とくに大変だったのが機械式駐車場問題。利用者がへり、管理組合の収入にも影響を与えていました。

Tさんと私たちは、管理会社の方やマンション管理士のような専門家にたくさん相談しました。「やっぱりアンケートをとって、住人の声をきくことが第一ですよね」。活動の中心はTさんと私です。パソコンでアンケートを作成して、戸数分コピーして、戻ってきた内容を集計して、管理組合と相談して対策案を考えて・・・。忙しいけれど充実感を感じました。
パレットの空き情報の張り紙をして外部に借りている方を呼び戻したり、空いているパレットに固定装置をつけてバイクも駐輪できるようにしたり、来客用スペースを増やして有料にしたり、あらゆる取り組みをしました。おかげ様で状況をだいぶ改善できましたよ。
しんどいこともありましたが、学祭を終えた時のような達成感。いくつになっても夢中になって何かに取り組むと、若返るのですね。

月一の会合で、お互いのことを知っていき

Tさんと二人だけになる時間がよくありました。他の出席予定の皆さんが来なかったり遅れたりして・・・。
「誰も来ませんね」「皆さんお仕事されてますし、お忙しいんでしょうね」「Tさんは引退されたのですか」。そんな会話をしているうちに、お互いの身の上話になったことがありまして。
Tさんはもともと老人ホームや幼稚園の運営をする会社にお勤めだったそうです。事務方で経営に携わっていたそうですが、イベントでは現場のお年寄りや子供たちと接する機会も多く「人と話すのは好きな方ですよ」と。「私は世話好きなんですね。たぶん祖母の影響かなあ。おばあちゃんっ子だったんですけどね。祖母はご近所さんの面倒をせっせとみるタイプの人でしたから」そう言って、笑います。ぬくもりのある人なんです。
愛犬を可愛がっているようで「私しかみる人間がいませんから。老体に鞭を打って、毎日散歩をしていますよ(笑)」。一人暮らしなんだな、と思いました。

任期を終えると、しばらく関係が疎遠に

理事の任期は1年です。その間はゲストルームで会うだけの関係でした。私生活の話も時々しましたが、基本的には理事メンバーとしてのおつきあいです。いま思えば、この期間はお互いをよく知り、もっと親しくなるための準備段階だったと思います。

任期を終えて、パタリと会うことがなくなると、私は寂しさを覚えました。また一人になっちゃった・・・みたいな。同じマンションには若いご家族も住んでいます。にぎやかにお出かけする姿をみると、微笑ましい気持ちと同時に、疎外感のような孤独も感じました。

ある日、マンションの外で犬のお散歩をされているTさんにお会いしたんです。「あ!ご無沙汰しております」と嬉々として挨拶をしました。Tさんも「ああ!これはこれは!」といった感じで。道端の偶然の出会いを喜んでくれている、と私は感じました。

「台風が近づいてますね」「そうなんですよ」「ワンちゃん、明日はお散歩できるかな?」Tさんの愛犬が私の匂いをしきりにかぎます。そしてぺろぺろ・・・。Tさん笑いながら「Nさん(私のことです)を気に入ったんだなあ。ずうずうしいなあ。こいつは」と笑って。
その流れで一緒にワンちゃんのお散歩コースを歩き、マンションまで帰ってきて、エレベーターに一緒に乗って。
私は11階なんですが、では、と降りようとすると、「ああ、良かったら、うちでお茶でもして行かれませんか。こいつ(ワンちゃん)も喜びます」とお誘いいただいたんです。

私たちが選んだ、新しい関係

え!とそれはびっくりしましたが、Tさんが真剣に誘ってくださっているのが伝わってきました。エレベーターの「開く」ボタンを強く押し続けている姿に、私も心を動かされて。えい!とエレベーターに戻りました。沈黙が続いて・・・「勢いで言ったけど、部屋が片付いていなかったなあ」と、はははと笑うTさん。可笑しいでしょう?でもこれが私たちの新しい関係の始まりだったんです。

恋?70歳の私に”ぬくもり”をくれたのは、同じマンションの住人さん

Tさんのお宅は、簡素でした。リビングにテレビとソファとダイニングテーブル。テーブルには椅子が1つだけ。私が伺ったときは、別の部屋から丸椅子をもってきてくれました。そこの腰かけて。お茶をいただきました。男の人が女性にお茶をいれるのってすごいと思ったので、それを素直に伝えたら「仕事でよくいれてましたよ。何でも屋さんでしたから」だそう。そして尻尾を振るワンちゃんにドッグフードのお皿をコトリと置いて。「テレビをつけてもいいですか。台風、気になりますね」と言ってニュースをつけました。

穏やかな時間でしたね。そんなに話すわけじゃないんですが、誰かと一緒にいることが、こんなに落ち着くのかと。とても満たされた気持ちになりました。

それ以降、毎日同じ部屋で数時間を過ごしています。一緒にワンちゃんのお散歩にいき、少しお茶して別れる。お茶のためにお菓子を用意するのも楽しみです。
私の部屋に呼んだこともありましたが、Tさんは居心地悪そうでした。男の人には自分の陣地があるんだと思います。

ただそれだけです。でもTさんとの出会いは私の生活にぬくもりを与えてくれます。恋というには地味すぎるのかもしれませんが、優しさとぬくもりは、いくつになっても、人が欲するものなんですね。下手に欲がなくなってきた分、人生で一番穏やかな気分かもしれません。

 

恋?70歳の私に”ぬくもり”をくれたのは、同じマンションの住人さん

夫をガンで見送って

3年前に夫をガンで亡くしました。肺がんです。煙草をよく吸う人だったので、あれだけ吸えば仕方ねぇよ、なんて息子は言いますが。まだ69歳でした。
相続や遺品整理で、バタバタと2年が過ぎました。死後の後始末が終わらない内に一周忌が来てしまうんです。慣れないこと、決めなければならないことがたくさんあって、とても疲れました。

70歳で初めての一人暮らし

新しい生活に慣れるのも、それなりに大変でした。夫から相続したマンションにそのまま住んでいますが、私は一人暮らしをしたことがないんです。結婚前は実家住まいと寮生活でしたし・・・。誰もいない家に一人でいるのは、想像以上に寂しく感じましたよ。
あと、対社会的なアレコレ。マンションの管理組合の理事を引き受けなくてはならなくなったんです。最初は本当に億劫でした。
でもこの理事の仕事で、大切な人と巡り合えたんです。人生って分からないですね。

理事会での出会い

うちのマンションの理事は「輪番制(持ち回り)」なんです。私たち夫婦は一戸建てから7年前に今のマンションに越してきました。老後に備えてのいわゆる「ダウンサイジング」のための住み替えでした。前の所有者が1回理事をされたそうですが、夫亡きあと二度目の当番が回ってきてしまったんです。もちろん、やるのは私です。
マンションは150戸の規模で理事は10名。月に1回理事会があります。うちのマンションには「ゲストルーム」という名の共用部屋があるので、そこで開催しています。
メンバー10名が全員そろうことはまずありません。そもそも理事なのに一度も顔を出さないツワモノもいて・・・。出席する人は毎回同じ顔になってきます。1301号室のTさんはその一人でした。

理事長と副理事長になった私たち

ご存じの方も多いと思いますが、理事の中にも役職があります。理事長、副理事長、会計、監事。当マンションでは立候補や推薦がなければくじ引きで決めることになっていました。
それでまんまとTさんと私は、それぞれ理事長、副理事長を引き当ててしまったんです。私の顔は青ざめていたと思います。でもTさんは「ああ!引いちゃった(笑)ご縁だねえ」とにこやかなご様子で。他の方もホッとしたと思います。「できません!」とかたくなに拒否したり、怒り出したりする人もいるそうなので。
Tさんは数年前に引っ越してこられた方でした。お年は私と同じくらいでしょうか。犬を抱っこして散歩に行くTさんにエレベーターで会ったことはありました。でも会釈をする程度の関係。「よろしくお願いします。一緒に頑張りましょう」Tさんが笑いかけてくれて、私も前向きな気持ちになれました。それが私たちの最初の会話です。

マンションの大問題に取り組んで

築27年たつマンションで、あちこち修繕が必要なタイミングでした。とくに大変だったのが機械式駐車場問題。利用者がへり、管理組合の収入にも影響を与えていました。

Tさんと私たちは、管理会社の方やマンション管理士のような専門家にたくさん相談しました。「やっぱりアンケートをとって、住人の声をきくことが第一ですよね」。活動の中心はTさんと私です。パソコンでアンケートを作成して、戸数分コピーして、戻ってきた内容を集計して、管理組合と相談して対策案を考えて・・・。忙しいけれど充実感を感じました。
パレットの空き情報の張り紙をして外部に借りている方を呼び戻したり、空いているパレットに固定装置をつけてバイクも駐輪できるようにしたり、来客用スペースを増やして有料にしたり、あらゆる取り組みをしました。おかげ様で状況をだいぶ改善できましたよ。
しんどいこともありましたが、学祭を終えた時のような達成感。いくつになっても夢中になって何かに取り組むと、若返るのですね。

月一の会合で、お互いのことを知っていき

Tさんと二人だけになる時間がよくありました。他の出席予定の皆さんが来なかったり遅れたりして・・・。
「誰も来ませんね」「皆さんお仕事されてますし、お忙しいんでしょうね」「Tさんは引退されたのですか」。そんな会話をしているうちに、お互いの身の上話になったことがありまして。
Tさんはもともと老人ホームや幼稚園の運営をする会社にお勤めだったそうです。事務方で経営に携わっていたそうですが、イベントでは現場のお年寄りや子供たちと接する機会も多く「人と話すのは好きな方ですよ」と。「私は世話好きなんですね。たぶん祖母の影響かなあ。おばあちゃんっ子だったんですけどね。祖母はご近所さんの面倒をせっせとみるタイプの人でしたから」そう言って、笑います。ぬくもりのある人なんです。
愛犬を可愛がっているようで「私しかみる人間がいませんから。老体に鞭を打って、毎日散歩をしていますよ(笑)」。一人暮らしなんだな、と思いました。

任期を終えると、しばらく関係が疎遠に

理事の任期は1年です。その間はゲストルームで会うだけの関係でした。私生活の話も時々しましたが、基本的には理事メンバーとしてのおつきあいです。いま思えば、この期間はお互いをよく知り、もっと親しくなるための準備段階だったと思います。

任期を終えて、パタリと会うことがなくなると、私は寂しさを覚えました。また一人になっちゃった・・・みたいな。同じマンションには若いご家族も住んでいます。にぎやかにお出かけする姿をみると、微笑ましい気持ちと同時に、疎外感のような孤独も感じました。

ある日、マンションの外で犬のお散歩をされているTさんにお会いしたんです。「あ!ご無沙汰しております」と嬉々として挨拶をしました。Tさんも「ああ!これはこれは!」といった感じで。道端の偶然の出会いを喜んでくれている、と私は感じました。

「台風が近づいてますね」「そうなんですよ」「ワンちゃん、明日はお散歩できるかな?」Tさんの愛犬が私の匂いをしきりにかぎます。そしてぺろぺろ・・・。Tさん笑いながら「Nさん(私のことです)を気に入ったんだなあ。ずうずうしいなあ。こいつは」と笑って。
その流れで一緒にワンちゃんのお散歩コースを歩き、マンションまで帰ってきて、エレベーターに一緒に乗って。
私は11階なんですが、では、と降りようとすると、「ああ、良かったら、うちでお茶でもして行かれませんか。こいつ(ワンちゃん)も喜びます」とお誘いいただいたんです。

私たちが選んだ、新しい関係

え!とそれはびっくりしましたが、Tさんが真剣に誘ってくださっているのが伝わってきました。エレベーターの「開く」ボタンを強く押し続けている姿に、私も心を動かされて。えい!とエレベーターに戻りました。沈黙が続いて・・・「勢いで言ったけど、部屋が片付いていなかったなあ」と、はははと笑うTさん。可笑しいでしょう?でもこれが私たちの新しい関係の始まりだったんです。

恋?70歳の私に”ぬくもり”をくれたのは、同じマンションの住人さん

Tさんのお宅は、簡素でした。リビングにテレビとソファとダイニングテーブル。テーブルには椅子が1つだけ。私が伺ったときは、別の部屋から丸椅子をもってきてくれました。そこの腰かけて。お茶をいただきました。男の人が女性にお茶をいれるのってすごいと思ったので、それを素直に伝えたら「仕事でよくいれてましたよ。何でも屋さんでしたから」だそう。そして尻尾を振るワンちゃんにドッグフードのお皿をコトリと置いて。「テレビをつけてもいいですか。台風、気になりますね」と言ってニュースをつけました。

穏やかな時間でしたね。そんなに話すわけじゃないんですが、誰かと一緒にいることが、こんなに落ち着くのかと。とても満たされた気持ちになりました。

それ以降、毎日同じ部屋で数時間を過ごしています。一緒にワンちゃんのお散歩にいき、少しお茶して別れる。お茶のためにお菓子を用意するのも楽しみです。
私の部屋に呼んだこともありましたが、Tさんは居心地悪そうでした。男の人には自分の陣地があるんだと思います。

ただそれだけです。でもTさんとの出会いは私の生活にぬくもりを与えてくれます。恋というには地味すぎるのかもしれませんが、優しさとぬくもりは、いくつになっても、人が欲するものなんですね。下手に欲がなくなってきた分、人生で一番穏やかな気分かもしれません。

 

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