60歳からのラブストーリー すべて

60歳の私をディズニーランドに連れて行ってくれる王子様とは

60歳の私をディズニーランドに連れて行ってくれる王子様とは

一緒に職場を去った人

 今年60歳を迎えて定年退職をしました。39歳でパートとして入社し、幸運にも途中で正社員になって20年。職場には感謝の気持ちでいっぱいです。

 私が退職するとき、一緒に退職した男性がいました。Uさんです。新卒で入社してこちらの職場一筋で40年。60歳で定年退職された後、嘱託社員として再雇用されていたUさんも、ついに職場を去ることになりました。私とUさんは、皆さんに花束を贈られ見送っていただきました。

定年後の日常

 私もUさんみたいに再雇用してもらう道もありました。でも80代の実母の介護を定年後は引き受けると姉と約束していたので、家にいることにしました。

 私自身は20代の頃、一度結婚をしましたが、いろいろあって離婚し、その後はずっと一人です。子供もいません。

 母の介護はヘルパーさんの力を借りながら、週に何日か自分の時間も確保して、上手にやっていると思っています。

 自宅にずっといると息が詰まるので、私はしょっちゅう外出をします。美術館に行ったり、新しいパン屋さんをのぞいたり、図書館にもよく行きます。できるだけ日常を忘れる場所へでかけて気分転換をします。

 そしてある日、外出の帰り道に、Uさんとばったり出会いました。数か月ぶりの再会でした。

Uさんとの再会

 私とUさんは自宅が近いのです。それは知っていました。Uさんは職場の近くに家を建て、私は自宅の近くに就職した口です。

 Uさんと言えば、大変な愛妻家で有名でした。Uさん夫妻には子供がおらず、夫婦での暮らしを楽しんでおられました。奥様がディズニー好きで、毎月ディズニーリゾートに行くというのは社員の間で知られた話。なぜならしょっちゅうディズニーのお土産を買ってきてくれたから。特に若い女性社員には好評でしたね。「Uさんって、優しい旦那様ですよね~」と給湯室でクッキーを食べながらほのぼのしたのも、いい思い出です。

 でも大事な奥様をガンで亡くされて。Uさんは社会人として、いつもと同じようにふるまわれていましたが、とても落ち込んだと思います。

 多分その時からUさんのことを「いい人だな」と思っていたんだと思います。「奥様は幸せな方だな」とも。だから偶然に再会した時も、「Uさん!」と私から声をかけました。Uさんは驚いた様子でしたが、「やあやあ、こんな場所でお会いするなんてねえ。お変わりありませんか」と感じよく応じてくれました。昔から女性社員に威張った態度をとらないし、気を使ってくれる紳士でしたが、その時の対応もUさんらしくて素敵でした。

お互いの近況を話しているうちに・・・

 立ち話も何ですから、と私たちは近くの喫茶店に入りました。ずっと同じ職場にいた人なのに、きちんと向かい合って話すのは初めてなので変な感じがしました。でもとにかく懐かしくて。Uさんも同じだったようで、私たちの会話は途切れませんでした。

 会話は専ら退職後の生活についてでした。私は親の介護をしていて、たまに息抜きに色んな所へ出かけていると話しました。Uさんは最近、地域で行われているボランティアを始めたと教えてくれました。Uさんらしいと思いました。

「Uさんと言えばディズニーランドですよね。いつも私たち、お土産をいただいてしまって」。よせばいいのに、会話が盛り上がっている勢いで言ってしまいました。Uさんにとっては、亡き奥様との思い出に関するトピック。でもUさんは嫌な顔ひとつせず「いやあ、ディズニーはすごいですね。私も行くたびに、学ぶことが多くて感心しましたよ。細かいところまでよくできてるんです」とおっしゃいます。「ビジネスの完成型って言われてるんですってね?」と私が応じると、Uさんもディズニーのすごさをトクトクとお話しになりました。

 そして言われたんです。「よかったら、今度ご一緒しませんか。私も久しく行ってないんでねえ」「え、私なんかがご一緒してもいいんでしょうか」「行きましょう。楽しいですよ。大人でも楽しめるんですから」

 ディズニーランドに行くなんて何年ぶりでしょう!私も急にワクワクしてきてご一緒することにしました。

 

ディズニーランドデートで夢の世界へ

 そして数十年ぶりに、ディズニーランドへ私はUさんと行きました。年寄りですから、平日の比較的人が少ない時に行けるのはメリットですね。同年代の夫婦も何組かみかけました。そして心なしか、私たちへの視線が優しいような気がしました。皆が優しくて素敵な人に見えるのがこの空間の魔法なんですね。

 ウエスタンリバー鉄道に乗って、グランマサラのキッチンでオムレツを食べ、ショーを見て、お土産屋さんでグッズをながめて・・・。こんなに楽しかったっけ?今までの自分を忘れるほど没頭して夢の世界を満喫しました。

 帰りの電車では二人とも余韻たっぷりで無言でしたが、「・・・また行きませんか。次はシーの方へ。あっちもいいですからね」とUさんがポツリ。私も「はい。ご一緒します。本当に楽しかったです」といってその日はお別れしました。自宅に帰ってからも、私は小娘みたいにウキウキした気分が続いていました。

浮かれる私に、母が言ったこと

 私の母は85歳で、認知症が始まっており足腰も弱まっています。しかし、頭がしっかり働いている時間もあって、私が浮かれて外から帰ってきたのを見逃しませんでした。

 「誰に会ってきたの。男の人?」私は正直にUさんのことを話しました。母は「つまり、あんたは奥さんの代わりじゃね。いいんじゃない。その人いいと思うよ。再婚したらええのに」と言うんです。「一人はさびしいよ?」ボソっとつぶやいて寝てしまいましたが、母の言葉が私の脳裏に焼き付いて離れませんでした。

デートを重ね、ホテルにも

60歳の私をディズニーランドに連れて行ってくれる王子様とは

 Uさんとはその後も頻繁に逢うようになりました。ディズニーシーにも行ったし、ご飯や私の趣味である美術館巡りに付き合ってくれることもあります。

 それである時、ディズニーに行くけれどランドとシーどちらにしようかという話になって、「泊まりますか?前日にランド、翌日シー。お嫌じゃなければ・・・」と言われたんです。「じゃあ、そうしましょう」って答えました。後から「うわあ!どうしよう!」と緊張に襲われましたが、ディズニーの魔法が私たちを導いてくれる!と自分を鼓舞しました(笑)。

 再婚の話はでていませんが、今の関係はとっても幸せです。母の介護もありますし若くないしで、心配事は相変わらずあるのですが、私の生活にプリンセスタイムが生まれました。

 退職するとき、こんな老後は全く想像していませんでした。介護をして、本を読んで、気晴らしにお出かけして、そして自分も年を取ってしおれていく・・・そういう物語を思い描いてたんです。私の想像力ではこれが精一杯でした。またそれで良しとしていました。

 でも王子様が現れました。その王子様はずっと私が知っていた人。退職や伴侶との別れという人生の節目を乗り越えたときに、彼は私の王子様に変身したんだと思います。人生ゲームのコマはいくつになっても予想できない方向へ転がっていくんですね。だから年を重ねるのって悪くないな、面白いな、と今では思っています。

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