50歳からのラブストーリー すべて

「58歳でプロのバレエダンサーからプロポーズされて」

「58歳でプロのバレエダンサーからプロポーズされて」

妥協だらけの結婚で、お姫様の世界から卒業

私は結婚が遅く、38歳の時でした。お見合いで会社員の男性と入籍しました。結婚が遅くなったのは、女子高育ちの女子大出身、趣味はピアノとバレエ、宝塚・・・と夢見るお姫様の世界で生きていたからだと思います。男性のお友達もいませんでしたし、お酒も飲めないから職場の飲み会でも一人で白けているタイプ。もてませんでしたね。

結婚相手は40歳の初婚の男性で、いい学校をでて、いい会社に勤めている、夫向きの人。タイプではありませんでしたが(笑)、子どもが欲しかったので、ぎりぎりの年齢だと自分に言い聞かせて結婚を決めました。

実家は神戸なんですが、彼の勤め先はY県で・・・。長年、私の結婚相手の条件に実家の近くか都心に住みたいっていうのがあったんです。でも仕方がありませんね。ついていきました。夫は世間的にはハイスぺの旦那だと思います。それでも40歳まで未婚だったのは、女性に奥手で、ハンサムとはいえないし、Y県の山奥の工場に勤めていたからだと思います(笑)。何にもないところでしたよ。

一人娘がバレエで才能を発揮

子どもは女の子が一人です。すぐに授かって39歳で出産しました。

結婚してからは、私自身はバレエとピアノをお休みしていました。でも娘が2歳のころ、車で通える教室をみつけて、ピアノもバレエも習わせたんです。娘はピアノはあまり好きでなかったようですが、バレエは楽しかったようです。体つきも私に似ていてバレリーナ体形。親バカですが、上手な子でした。私も自然と力が入って(笑)。発表会など張り切ってお手伝いしました。夫とも普通にうまくやっていましたよ。穏やかな結婚生活でしたね。

発表会で運命の出逢い

娘が16~17歳のとき、発表会でゲスト出演の男性ダンサーと共演する機会がありました。発表会では他の団や教室から上手な踊り手を呼ぶことがあります。特に、娘が通っていた教室には男性がいなかったので、毎回ベテランの男性バレエダンサーを呼んでいましたね。その時のゲストダンサーが今の私の夫です。

彼は、国内のバレエ団で長く活躍した人です。海外で踊っていたこともあります。今も自分の教室を運営する傍ら、コンクールの審査員や、振付や、舞台の監督や、とにかく八面六臂の活躍をしているアーティスト。娘と共演したとき既に60代でしたが、パッと見60代には見えません。ルックスも動きも若々しくて。色気というか・・・出逢ったとき、男性として素敵な方だな、って見惚れました。王子様が現れた!って感じで(笑)私が55歳の時です。

忙しい中、娘と発表会で披露する演目のレッスンをつけてくれました。私も教室のスミから見ることができましたが、うっとりというか、感激で。娘が成人したことや、素敵な世界を作り出してくれる二人に感謝というか。忘れていた小女時代から大好きだった”お姫様の世界”を思い出したんです。

ある日のレッスンの後、もう夜の10時を過ぎていましたが、3人で近くのファミレスで簡単な食事をとりました。ちょっとした打ち合わせも兼ねていました。衣装のこととか。彼は私が習っていたバレエ教室のことを知っていたし、昔のバレエ業界ってこんなだったよね、みたいな。同世代ならではの話題で盛り上がって。エンジニアの夫とは絶対にできない会話です。帰りに「お母さん、すっごく楽しそうだったね」と娘に言われました。

その後、娘が彼のバレエ教室へ通うようになったんです。教室は東京にあり、週に1回新幹線で通いました。お金はかかりましたが、一人娘ですし。コンクールで入賞すると進学に有利な大学もあったので、夫も反対はしませんでした。

毎回ではありませんが、私もときどき一緒に上京しました。東京って楽しいですね。私も娘もウキウキで。教室もいいところにあったので、たくさん刺激をもらいました。「私、東京に住む」って娘が言い出したのもこの頃です。そうしたら、お母さんも一緒に住んじゃおうかな、って半分冗談、半分本気で話したりしていました。

義母の介護問題が勃発。夫との不和。

「58歳でプロのバレエダンサーからプロポーズされて」

実はそのころ、家庭内で問題を抱えていました。義母の介護です。私が56歳、夫が58歳、義母は82歳でした。82歳ってシャン!としている方もいますが、義母の場合は認知症が始まったんですね。夫は長男なので介護は多少覚悟はしていましたが、実際に始めてみると大変で・・・。義母はもともと性格がキツイ人でしたが、認知症が始まるとさらにひどくなりました。私は介護は無理だから、施設に入れて欲しいと言ったんです。すると夫が逆上して・・・。何故あんなに怒ったのか、実はまだ理解できていません。穏やかな人だったし、考え方も合理的というか・・・感情的な人ではなかったので、私も娘もとても驚きました。

施設に入れるなら毎月20万円はかかるから、娘のバレエもそろそろ卒業したらどうだ、みたいなことを言い出して、娘も私もショックを受けました。彼にも相談しました。家庭内のことだから、なんともいえないけれど、やめるのは惜しいというのが本音です、と。バレエをやめるのか続けるのか。施設に入れるのか入れないのか。答えがでないまま1、2年があっという間に過ぎました。

ある日、決定的なことが起こって。義母は私たちの自宅近くで一人暮らしをしていたのですが、行方不明になってしまったんです。地域でアナウンスをしてもらったりして大騒ぎ。公園にいるのを近所の人がみつけてくれました。とても弱っていて、病院で点滴を打ってもらっているときに、夫がひどく私を罵倒したんです。他の人にも聞こえる声で、ですよ。看護師さんが「他の方がびっくりしますから」と言って仲裁にはいってくれましたが、この人とはもうやっていけない、と思いました。介護の難しさを理解してくれないんです。少しの我慢でできるはずだ、みたいな幻想を捨てきれない人。そんな夢にはつきあえません。あと何年あるんですか?

離婚して、娘と上京

実際に家を出たのは、娘が高校を卒業してからです。それまでは耐えましたよ。自宅で義母の介護をしました。ヘルパーさんの力も借りて。私はこの家を出るんだ、という目標を胸に抱きながら。娘は推薦で東京の大学に進学を決めました。そのときに私も一緒に上京しました。アパートを借りて二人で生活しました。57歳でしたが仕事はみつかりましたよ。皮肉ですけど介護の仕事です(笑)。義母の介護と違うのはお給料がもらえること。お休みがあることです。娘の学費は夫が出しています。生活費は私です。娘はバイトを掛け持ちしながらバレエを続けています。

距離がだんだん近くなり・・・。「家族になろう」と結婚へ。

娘は変わらず彼の教室で指導を受け、将来の相談もしています。私が独り身になったことで、彼の態度が変わったのは新鮮な喜びでした。やっぱり人妻だと他人行儀になりますよね。当たり前ですが。敬語じゃなくなり、お互いにもっと打ち解けて話すようになりました。デートって言っていいのかわかりませんが、娘も一緒に3人ででかけるようになって。今もそうです。ダンサーですから健康マニアで、体にいいメニューを出すレストランとか、よく知っているんですね。バレエや映画鑑賞、宝塚にも連れて行ってくれました。費用は彼もちです。

今まで見えなかった一面もみえてきます。離婚歴があること。怪我の後遺症をひきずっていて、不安を感じていること、寂しがり屋で孤独と戦っていること。毎日トレーニングを欠かさず、大変な努力をしていること。

もともと、話が合う人だったので、そのまま自然に「家族になろう」っていうことになったんです。バレエに理解がある人に傍にいてもらいたい。って言われました。娘も喜んでくれました。驚きですよね。今や私たち、バレエオタク家族です(笑)。

経済的なこととか、不安はもちろんあります。彼は独立したフリーのダンサーです。高齢ですし。でも私は、自分が働けばいいと思っています。心から彼の生き方と人生を尊敬しているので、もしこの先、彼が踊れなくなっても、私はずっと彼に恋していると思います。幸せです。

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