先日、都内のホテルで結婚式をあげました。私は今54歳で新婦は34歳。妊娠5か月です。二人とも初婚で、1年前から交際し、既に都内のマンションで同棲をしています。
どこに行っても、私の結婚は驚かれます。私は決してハンサムではなく、背も低いですし、取柄は公認会計士という仕事くらい。ホテルに初めて結婚式の相談に行ったときも、お父さんと娘が来たのかと勘違いされたくらいです・・・。ホテルにはツテがあったので、事前に年の差婚のカップルであることは伝えてあったのですが(笑)。それでもぱっと見すぐに受け入れられないほど、カップルとしての見た目に年齢差があったのでしょう。
とにかくモテないブ男
20年前に独立して自分の事務所を開きました。仕事一筋で婚期を逃したと言いたいところですが、結婚が遅れたのは、単純に男として魅力がなかったから。すごく忙しくても、何度も結婚する会計士や弁護士仲間はたくさんいますからね。私の年収はそこそこだったと思いますが、それでもノーサンキューをされる残念な男なんです。私の母までが「母親の私が見ても、モテないタイプ」と、ボヤいていたくらいですから。
妻との出会い
事務所はスタッフを常時2~4名雇って回してきました。辞めた人の穴を埋める形で入ってきたのが今の妻です。知り合いの弁護士から「娘のバイト先を探している。面倒をみてくれないか」と言われたのがきっかけです。
お嬢さんはあの1万円札の人で有名な大学の法学部を卒業した人。数年間社会人として働いた後、お父さんやきっとお友達の影響もあるのでしょう、弁護士を目指して司法試験の勉強をするために退職したとか。しかし一向に受からずに今に至るとのことでした。要するに司法試験浪人生です。
こういう人は本当に多いです。試験は実力もさることながら、私自身の経験を思い返しても、運もあるかなと思っています。だんだん社会生活から離れていき、何のために頑張っているのか分からなくなってくる長いトンネルを走り出す時があります。
父親であるその弁護士によると、彼女は司法試験をあきらめているわけではなく、勉強と仕事の両立が可能な職場を求めているとのことでした。それで「私にどうか」と言ってきたのです。私の事務所には会計士を目指しながら働いているスタッフもいましたし、私も試験勉強と仕事の両立という点には理解を示しました。
初対面で一目ぼれ
ブ男の私は恋愛戦線を既に離脱していました。頑張っていたのは45歳くらいまでですかね。誰も恋愛対象として見てくれないし、もうどうでもいいや、っていう心境です。
しかし「よろしくお願いします」とやってきた彼女に会って「すごくいい子だな」と、ズキュンときました。背が高くて見た目も綺麗できちんとした女性。さすが弁護士を目指すだけあり、テキバキと要領よく話すし、常識もあるし、感じもいいし・・・。彼女が毎日事務所にくるようになって、私もウキウキするのを止められませんでした。自分、男だったんだな・・・って感じですね・・・。
自分が彼女のためにできることを考えた
最初は、結婚したいとまでは思いませんでした。と言うか、思えませんでしたね。自分が傷つくだけ。ふられる未来しか想像できませんでしたから。自分は彼女にとって「父の知り合いの信用できる会計士のおじさん」という位置づけだと理解して、それに徹するのが一番いいと思いました。
彼女は司法試験の勉強を頑張っているので、勉強の仕方やスケジュール管理をアドバイスしました。ひねておらず素直な子なので、私の言うことを「なるほど」といつも聞いていましたね。
任せている仕事は電話対応や資料の作成など単純なものが多くて、そんなに苦労している感じではありませんでした。
時々スタッフをご飯に誘ってカモ料理を食べに行ったり、話題のお店に足を運んだり。あくまで事務所の従業員として親睦を深めました。
もうやめたい…彼女がハラハラ泣き出した日
彼女が私の事務所で働き始めてから最初の試験は失敗でした。彼女は結果を報告してくれて、さらに勤務時間を増やしたいと相談してきました。
事務所の来客用スペースで軽く面談みたいなことをしまして。すっかり自信をなくした彼女は、涙をぬぐいながら「正直やめどきかな、って思っています」と言うではありませんか。自尊心の強い女性だから、本当に参っていたんだと思います。私なりになぐさめまして、「あんまり落ち込みすぎると他のことまで上手く行かなくなったり、体調を崩したりしてよくないよ」みたいなことを言いましたね。気が利いたことは言えていません。
そして気分転換にご飯に誘いました。この時点では「励まさななくちゃ」「お父さんも頑張って欲しがっているし」みたいな気持ちが強かったです。でもこのご飯で、急展開したんですね。
急展開!尊敬されていた自分に驚く
2人だけでフレンチを食べに行きました。恵比寿にある、あの有名なところです。女性は綺麗な場所にでかけるとなると心浮き立つようで、彼女もおしゃれに着飾ってきてくれました。「ずっとここに来てみたかったんです」と上機嫌に見えました。
分かりもしないワインリストを見たり、適当にお任せコースを頼んだりして、二人してお上りさん状態で高級フレンチを楽しみました。それで彼女が将来のことについて語り始めたんです。要するに勉強は続けたいけれど、経済的なことや社会的なことで不安が多く、生き方に迷うと。
私は、結婚して家事育児をしながら夢を目指すという選択肢もあると思うよ、と伝えました。「これを言うと嫌がる女性もいるのを知っているけれど」と慎重に前置きして。彼女は「私もそれが理想的です。子供も欲しいですし。もう34になるし」とうつむいてフォークを動かしていたのを覚えていますね。「でもそんな都合の良い相手を探すのも大変ですよね」。それで勇気を出して「私だったら君みたいな人を喜んでお嫁さんにするけど。そういう男はたくさんいると思うよ」と言ってみました。キモイとか言われても仕方がないと思って言ったのですが、彼女は良識のある人ですからそんな態度はみせません。それどころか「そうしてもらえると、私すごく嬉しいかもです」と言うではありませんか。そして私のことを「大人で落ち着いた紳士だなって、尊敬していました。他のスタッフの方もそう言ってます」
私にしては晴天の霹靂でしたね。まさか、スタッフや彼女からそんなにいい評価をされているとは思っていなかったので。真面目にやってきたことが報われることもあるんだな、と感動しました。
父親の許しを得て、同棲からの結婚
年齢的なこともあり、全てを待った無しで進めました。
私の知り合いでもある彼女の父親の反応が多少心配でしたが、好意的に受け止めてくれて、ホッとしました。父親も娘の将来を心配していて、とにかく自分が信頼している男と落ち着いてくれるなら安心だ、ということみたいです。
一緒に暮らし始め、心配した夜の方もなんとか乗り越えて、子供もできました。妊娠の報告は本当に嬉しかったですね。
自分は男としてダメだと思い込んでいましたが、私が与えてあげられる条件を買ってくれる女性はいるものです。有名大学を卒業して、感じの良いエリート女子だけど試験で挫折をしてしまった私の妻は、私が会計士であること、事務所を開いて独立していること、親の知り合いであること、紳士的であること?などを評価して夫に選んでくれたようです。
独身が長いといじけた気持ちが出てくる時もあるし、卑屈にもなりますが、相手を探したいからといって、下手に他人の真似をしたり、一般的な良し悪しに振り回されたりするのは良くないと感じました。自分の価値やスタイルを持って、他人に丁寧に接するという基本を貫けば、良い伴侶に出会えるのではないでしょうか。
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