10年前に家出をした私
10年前に妻と別居して、団地で一人暮らしの70歳(男)です。妻はむかーし私が建てた家にやっぱり一人で住んでいます。私が家出をした格好(笑)。子供も孫もあちらに遊びにいくので、広い家を残してきて良かったと思います。
家出の理由は完全に私の我がまま。仕事を退職して、自由にやりたくなったんです。今までの私、さよーならーって心境でしたね。世間体もひと様の意見も気にせんぞ。以来、気ままに生きています。
市の広報誌をみて
昔風に暮らしています。孫は「昭和の日本人的生活」と言います(笑)。新聞を読んでテレビをみて、スーパーのチラシのお得情報をチェック。ポストに入っている市報にも目を通します。
今どきの情報源であるスマートフォンをずっと持たずにやってきました。家族には「いい加減使ってもらわないと困る」とうるさく言われましたが無視していました。
でも連絡手段として、日常生活の道具として、いよいよ学ばなければならない感じがしまして。特に私は一人暮らしですから、ちょっと手伝ったり、代わりにやったりしてくれる人もいないので、スマホやらソーシャルネットワークやら、ボケる前に本腰入れて勉強しようと腰を上げました。
で、ちょうど市報に「高齢者向けスマートフォン講座」を実施する案内が掲載されていたので申し込んだんです。費用は一人3500円、週一回の12回コース。手始めにやるにはちょうどいい感じじゃないですか?
で、ここで私のガールフレンド、アイちゃんと出逢いました。人生は最後まで分からないですね。
ジジババサークルが意外に楽しい(笑)
実は60代後半まで、年寄りばかりの集まりに顔を出すのに抵抗を感じていました。あがきですよ。俺はまだ若い!みたいな。地元の老人会なんて、名前がそもそも嫌ですよ。「老人会」ですよ?一緒にしないでくれよ、と粋がっていました。
ですから今回は観念した格好です。対象年齢60歳以上の方限定の講座ですから、もちろんジーさんバーさんばかり。でもこれが楽しくて。同年代っていいですね。みんな「時代に取り残されて家族に馬鹿にされちゃってる人」の集まりです。「画面が小さくて見えない!」「指が震えて、正しい場所が押せない!」などなど。若い人が聞いたらあきれるだろうな、っていう話で盛り上がりました。
みんなのアイドル「アイちゃん」
いくつになっても可愛い女性っていますよね。アイちゃんはそんな人。60歳を超えて可愛いのは本当に可愛い人です。アイちゃんはよく笑って、包み込みたくなるような人。お茶目な一面もありますね。時代遅れと笑った娘さんを見返すんだと一生懸命でしたよ。私は彼女を「いいな」と思って、お茶に誘いました。ご主人がいる身なので「え~、ダメですダメです!」と振られちゃいましたけど(笑)。でもスマートフォン講座で、一緒に同じ時間を過ごせるだけでも楽しかったです。
アイちゃん、突然、独身になる
いつも笑顔のアイちゃんでしたが隠し事をしていました。ご主人、ガンだったんです。闘病していたみたいです。講座が実施されている期間に、お亡くなりになりました。何度かお休みをされましたけど、私にはいつもと変わらない様子に見えました。とんでもないですね。
講座にアイちゃんが親しくしている女性のお友達がいて、その方と「落ち着いた?」「大丈夫なの?」「相続とかは?」なんて会話をしているのを聞いて、ご主人が亡くなられたことを私も知ったのです。胸がザワっとしました。
アイちゃんとインスタでつながって
講座の中で、インスタグラムを開設しようというのがありまして。以前から孫の写真や幼稚園のお遊戯の動画をインスタを見てインスタを見て、と孫の親たち(私の子供たち)には言われていましたが、いよいよジージもインスタデビューです。
その時に、講座に参加している生徒同士でアカウントをフォローしあいました。だから私はアイちゃんのアカウントをフォローしましたし、アイちゃんも私のアカウントをフォローしてくれました。SNSでつながったわけです。
講師から「来週までに1つ以上、何か投稿してみましょう」「フォローしあった仲間どうして、その投稿にコメントしてみましょう」「メッセージのやり取りをしてみましょう」という実践的な宿題がでました。
アイちゃんに初コメント&メッセージ
私はヴィンテージのコーヒーミルの写真を投稿してみました。私のお気に入りです。カフェネタは人気があるみたいですし、ちょっとオシャレな感じがしませんか?
ここですぐにアイちゃんからコメントがくれば嬉しいんですけど、もちろん無反応。なのでまずは自分からアイちゃんの投稿を見に行きました。アイちゃんはワンコの写真を載せていました。私はすかさず「飼い犬ですか?可愛いですね」とコメント。すると「サチコといいます。私の相棒です♡」とお返事がありました。
察しのいいアイちゃんは私のアカウントもすぐにチェックしてくれて、「素敵なコーヒーミルですね。ずいぶん古い感じですが・・・動くんですか?」とのコメント。私はすぐにコーヒーミルを動かした様子を撮影し投稿しました。人生初の動画投稿。「古くても現役です」と説明文を添えました。
少しずつ距離を縮めていった
なんといっても、ご主人を亡くされたばかり。よくこの講座も休まずに来ているよな、と思っていました。アイちゃん曰く「周囲の強い勧めがあって・・・。ほら、一人になっちゃったから、なおさらスマホとかSNSとか使えないとまずいって言うんです。子供たちの意見ですけどね」
うちの子も似たようなことを言いますね。アイちゃんは新しい生活に慣れようと頑張っているようでした。私はじっと待ちました。スマートフォン講座が終わっても、豆にアイちゃんのインスタを見に行って、ご縁が切れないようにやり取りを心がけました。
そして喪が明けたころ、私はアイちゃんをデートに誘い、一緒にカフェに行きました。
なんだかオシャレになった気分
アイちゃんが愛犬と行けるように、ペット同伴可のカフェを私は探し、一緒に行きました。お洒落なカフェ、お洒落な飲み物、しつけが行き届いた犬サチコ、可愛いアイちゃん。まさに写真を撮って投稿したくなるような光景&時間でした。おや?私、なんだかイケジーじゃねえ?とウキウキですよ。はい、単純ですから。
気負うことはないと思いますね。そこに「楽しさはあるんかい?」「ときめきはあるんかい?」って感じです。気が向いたらやってみる。無理はしない。これくらいの年になると、礼儀は最低限守って、後は自分に正直になるしかありませんから。
私のインスタもアイちゃんのインスタも、なかなかキラキラしていて若い者に負けとらんぞーって思っています。自分でそう思えるなら勝ちですわ。楽しんでますよ。はい(笑)。
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