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【スカッと体験談】60歳で定年退職したモラハラ夫に離婚届を突きつけてやりました

【スカッと体験談】60歳で定年退職したモラハラ夫に離婚届を突きつけてやりました

私のモラハラ夫

 なぜ、この人と結婚したのか・・・。26歳で結婚して60歳になるまで34年、何度それを考えたかしれません。
 夫は恋人としてつきあっていた当時から、「偉そうな態度をとりたがる男」でした。嫉妬深くて、人を馬鹿にするのが好き。同僚や道端を歩いている知らない人さえ、すぐに悪く言います。「今のみた?」と笑って、人の欠点を見つけては見下すのが好き。
 私は若いながらも「結婚すると大変そうな人」と感じていたのに、顔が好みだったのと、強気な態度が男らしく感じる時もあって、プロポーズされると舞い上がり、ふらふらと結婚してしまいました。
 そのツケは抑圧的な結婚生活でしっかり払いました。

モラハラ夫との結婚生活

 当時は「モラハラ」なんて言葉はありませんでした。この言葉を知った時「まさに私の夫のこと」、「うちだけじゃなかった・・・」、などなど色んな思いが錯綜したもんです。

 うちの場合は「遺伝子信仰」と私が名付けた「お生まれ、お育ち」に関するハラスメントが多かったです。そもそも彼の母親にその傾向がありました。どこぞの旧家のお生まれである義母は、息子が東大に行き大企業で出世しなくては絶対にダメ、という価値観で生きてきた人。でも夫は東大を落ちまして。義妹によると、それを知った義母は庭先でこっそり泣いたとか・・・。夫は他の国立大学に行き、大手銀行に入行して同じ職場の私と結婚しました。

 私は高卒です。義母はそれが気に入らず、ずーっと死ぬまで私のことを馬鹿にしていました。夫も妻として私を選んだくせに、いざとなると義母の肩を持つんです。
 子供の成績が悪かったりすると「お前がそもそも(勉強の内容を)分かってんの?」とか「お前の家の血じゃない?こういうので苦労した人ってウチの親戚にはいないんだよね」とか。自分の家系は優秀だ!攻撃がつらかったです。

 それでも結婚生活を続けてこられたのは、夫が仕事であまり家にいなかったから。典型的な昭和型サラリーマンの彼は帰宅が遅く、土日も仕事(やお付き合いのゴルフ)で、単身赴任の時代もありました。
そうして30年の時が流れ、ついに定年を迎えることになったのです。

夫が毎日家にいる!!

 予想はしていました。定年を迎える前、コロナで在宅勤務時代が少しあったのです。基本的には夫は自分の部屋に閉じこもってましたが、気配があるんですよね。お昼ご飯も用意しなくてはならないし。でもあの時は「今だけ」とひたすら念じて耐え抜きました。

 しかし定年後の夫が毎日いる生活は「今だけ」じゃありません。ずっと死ぬまで続くわけです。若ければ友達に会ったり、趣味に興じたりして、気晴らしを上手にできたかもしれません。でも私も友人も老いてくるし、色んなことが我慢できなくなって・・・。夫も怒りっぽくなり「まだやってないの?」「はやくしてくれよ。おい」と、ピリピリした言葉を一日中ぶつけてくるようになりました。誰も気が付いてくれませんでしたが、私はだんだん鬱っぽくなりました。

 その頃、私達の一人息子が結婚をしました。夫婦そろって式と披露宴に出席し、夫は新郎父として親族紹介や両家代表謝辞をやってご満悦です。私はこの頃から「義務は果たした。もうこの人から離れよう。離婚しよう。」と心に決めました。

離婚を切り出して

 事前にプロに相談し準備をしました。夫がすんなり受け入れるとは思えなかったからです。離婚は理由を明確にするのが大切と言われ、私の場合は「性格の不一致」にあたるとのことでした。日ごろから受けている「モラハラ発言」をしっかり録音しておくように助言され、スマートフォンを使用した録音の仕方も教わりました。

 また夫の退職金による慰謝料や財産分与が見込まれるとも言われました。お金は少しかかりますが、離婚専門の弁護士さんは心強い味方でした。

 「離婚してください」と切り出した時の夫の反応は恐ろしいものでした。とにかく静か。ひざの上の握りこぶしが震えています。信じられないという顔で私をみつめていました。とても批判的な目で。思い出すだけでも気分が悪くなります。何を話したのかよく覚えていませんが、私は理由を説明して、判を押した離婚届を置いて、まとめてあった荷物を持って家を出ました。事前に準備していた安いアパートに入り、パート生活を始めました。

味方になってくれた息子

 意外だったのは、息子が離婚に賛成してくれたことです。私はもう自立した彼を親のことに巻き込むつもりはなかったのですが、夫が「お母さんがこんなことを言い出した」と連絡したようです。

 息子と夫の関係は微妙でした。息子はエリート街道を走ってきた夫とは異なり、ほどほどを行く穏やかな若者です。中学受験に失敗したあたりから、父親とは距離を置き始めていました。「おやじ、偉そうだし、人の言うことは聞かないから、一緒にいるのが大変なのは分かる」と言います。そして「親父と別れたら、俺の扶養に入る?」とまで言ってくれました。涙がでるほど嬉しかったですね。

息子夫婦の近くに住んで孫の世話を楽しみに

 色んな人の手を借りて、なんとか離婚が成立しました。それから私は住まいを変え、息子夫婦の家の近くに引っ越しました。お嫁さんが妊娠していて出産を控えているんです。お嫁さんは仕事を続けるつもりで、ご両親は遠方なので、子どもが生まれたら私がサポートに入る予定です。保育園難民の現実を知った息子夫婦からの提案でした。若い家族の邪魔をしないように、黒子に徹して、上手にお付き合いしていければと思っています。

 その後の夫

 私は完全に関係を絶っていますが、息子はやはり子どもなので、夫とは連絡を取り合っています。子どもが生まれることも報告しているようです。
 その息子によると、「父さんの生活、やべえ」だそう。何でもご飯はコンビニやスーパーの弁当やカップラーメンで済ませているようで、それは別にいいのですが、それらのプラスチックゴミが家の中に散乱し、「俺らですごい片づけてきた。45リットルのごみ袋5袋分くらい。あれはマジでやべえよ」と言います。

【スカッと体験談】60歳で定年退職したモラハラ夫に離婚届を突きつけてやりました


 「あと、なんか臭う。家も本人も」。洗濯、掃除、いろいろできていないのでしょう。家事を完全に馬鹿にしてきた人です。妻がいなくなっても、きちんとやろうとしないし、できないのでしょう。
 
 実は私、「夫は誰かと再婚するかな?」と思っていました。一応、大手銀行を退職したこぎれいな60代男性・・・だったはず、なので。
 でもそんな気配はないですね。今や、偉そうな男をわざわざ選ぶ物好きな女性はいないのです。にしても崩壊するのが早くてびっくりです。どれだけ私に依存していたのでしょう。 夫の境遇は自分で招いたことで、可哀そう、という気が全く起きません。むしろスカッとしました。私は自分で思っている以上に、夫のハラスメントに苦しんでいたのだと感じました。

新たにみつけたボーイフレンド

 息子夫婦が面白いことに「お母さんに、どう?」と男の人を紹介してくれたんです。息子夫婦はキャンプにハマっているんですが、そのキャンプ仲間というか先生みたいな男性がいて、息子たちのピクニックにつきあった時に紹介されました。
 彼はずっと会社員をしていたけれど、定年退職してからキャンプを仕事にしている人。私はインドア派ですが、彼と一緒に山を歩いていると、何とも言えない優しい気持ちになれるんです。とっても優しい人・・・。タフなのに乱暴な口の利き方は決してしません。前夫とは正反対。

 今の目標は、その彼とキャンプを楽しめるようになることです。前夫と別れたことによって、新しい世界がどんどん広がっています。離婚までの道のりは大変でしたが、その先に見える景色は、私が想像していたよりもずっと素晴らしいものでした。まだ60代。思い切って本当に良かったな、って毎日思っています。

ここでご紹介したのは、60歳女性のリアルな離婚体験談です。

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